健康というテーマ

世界保健機関(WHO)憲章

世界保健機関(WHO)憲章は、第二次世界大戦後の1946年7月22日に、ニューヨークで61か国の代表により署名され、 1948年4月7日より効力が発生しました。 日本では、1951年6月26日に条約第1号として公布されました。そこで謳われた健康の見方・考え方は「健康とは、単に疾病がないとか、虚弱でないだけではなく、身体的にも精神的にも、さらに社会的にも完全に良好な状態をいう。」というものでした。これは大きなインパクトを与えたものでしたが、理想的な状態すぎるとか、疾病や障害を持った人に健康はないのだろうかという批判もあり、その点は補足・修正されましたが「健康は身体的状態だけでは決まらず、精神的・社会的な状態も十分に考慮される必要がある。」という健康のトータル(全体的)な見方・考え方を示したことの意義は大きなものでした。

日本WHO協会では、21世紀の市民社会にふさわしい日本語訳を追及し、討議が重ねられ「WHO憲章(日本WHO協会訳)」 を作成しました。 以下はその抜粋です。

「健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが 満たされた状態にあることをいいます。」

「人種、宗教、政治信条や経済的・社会的条件によって差別されることなく、最高水準の健康に恵まれることは、 あらゆる人々にとっての基本的人権のひとつです。」

「世界中すべての人々が健康であることは、平和と安全を達成するための基礎であり、その成否は、個人と国家の 全面的な協力が得られるかどうかにかかっています。」

「ひとつの国で健康の増進と保護を達成することができれば、その国のみならず世界全体にとっても有意義なことです。」

「健康増進や感染症対策の進み具合が国によって異なると、すべての国に共通して危険が及ぶことになります。」

「子供の健やかな成長は、基本的に大切なことです。そして、変化の激しい種々の環境に順応しながら生きていける力を身につけることが、この成長のために不可欠です。」

「健康を完全に達成するためには、医学、心理学や関連する学問の恩恵をすべての人々に広げることが不可欠です。」

「一般の市民が確かな見解をもって積極的に協力することは、人々の健康を向上させていくうえで最も重要なことです。」

今では新たに、身体的・精神的・社会的という側面に加えて、「スピリチュアル」な側面も重要だとする考え方も示されました。あえて訳せば「霊的」というこの考え方も、かなり広く認められるようになっています。「見えない、でも確かに存在する大切なもの。」それがきっとスピリチュアルという言葉には、内包されています。ひとつひとつ、一人一人が愛されて存在している、その奇跡が広がっている、そういう命や愛の感覚もスピリチュアルと表現できるでしょう。名詞の「スピリット」には「人生に意味や方向づけを与えるもの」と理解されていますから、「スピリチュアル」に良好な状態とは、生きがいを感じて、意欲的・前向きに生きている状態と言えます。

私たちの健康の要素(factor)

身体的/社会的/精神的(スピリチュアル)という概念を、具体的に表すとどのようなものになるでしょうか。身体的な健康を構成する要素として、食育や運動、また生きていくうえで必要不可欠な地球環境。社会的な健康を構成する要素として就業(失業の対義語として)や良好な職場環境、経済的な充足など。精神的(スピリチュアル)な健康を構成する要素として、良好な対人関係や適度なストレスの受容、生きがい・信念の獲得などが挙げられます。これらひとつひとつが私たち人間には大事な要素であり、たったひとつのバロメーターが下がることにより心身的に不調におちいる場合があります。言葉で細分化していくと、きりがないのですが、ブルーフォーラムでは特に「●食育/●運動/●心理/●環境/●経済」という5つの要素(factor)を大きなテーマとして位置づけています。私たちが生きる現代社会では、この5つの要素は密接に関係しており、深い相関関係にあると言えるでしょう。